RX 7900 XTX
RX 7900 XTXは、このサイトで扱う34のオープンモデルのうち28モデルを、Q4_K_M・8kコンテキストで動かせます(2026年10月16日に計算)。最大のモデルはQwen3.6 35B-A3B (MoE)で、必要量は22.4GB、生成速度は最大386トークン/秒です。
- メモリ
- 24GB(VRAM)
- メモリ帯域幅
- 960GB/s
- ボード電力
- 355W
- 発売
- 2022年
- 入手方法
- 新品で販売中
RX 7900 XTXで動くモデルの一覧
RX 7900 XTX(24GB)がGPUで使えるメモリは24GBで、メモリ帯域幅は960GB/sです。以下のモデルはすべて、多くの人が実際に使う設定であるQ4_K_M・8kコンテキストでの値です。5%の安全マージンを差し引くと、使えるのは22.8GBです。何が読み込めるかはメモリが、どれだけ速く応答するかは帯域幅が決めます。どちらも明示した計算式による推定値で、LLM VRAM計算ツールで計算の過程を確かめられます。
このGPUでは、22.8GB以下なら収まり、20.4GBを超えると「ぎりぎり」です。読み込めても会話に使える余裕はほとんどなく、同じ24GBでデスクトップ環境も動かしていると収まらなくなることがあります。トークン/秒は、メモリ帯域幅から求めたシングルストリームの推定値です。≤の付いた数値は上限で、実際のランタイムはこれを大きく下回ります。
計算・2026年10月16日実際に動かすならこのモデル
Muse Glimmer 30Bが、このGPUを最も有効に使えるモデルです。使うのは24GBのうち18.7GBで、生成速度は推定39トークン/秒(チャットなら快適)、コンテキストにはまだ131,072トークン分の余裕があります。
ベンチマークは引用していないため、選び方を説明します。モデルはサイズで比べ、MoE(Mixture of Experts)モデルは総パラメータとアクティブパラメータの幾何平均で数えます(経験則で、測定ではありません)。メモリに余裕を持って収まり、25トークン/秒以上で応答する最も大きいクラスを選び、その中で最も新しい汎用モデルを選んでいます。コーディングや推論に特化したモデルは上の一覧には載せていますが、標準ではおすすめしていません。
このGPUが保持できる最大のモデルはQwen3.6 35B-A3B (MoE)で、必要量は22.4GBです。ただし、普段使いには向きません。メモリの93%を埋めるため、会話に使えるのは25,600トークンだけです。文書の途中でコンテキストが尽きるなら、パラメータが多くても割に合いません。MoEモデルで、トークンごとに読むパラメータは3Bだけなので、2つのうち速いのはこちらで、推定386トークン/秒です。その代わり、トークンごとにすべての重みを読む密(dense)モデルの深さはありません。
パラメータ数より品質を重視するなら、Gemma 4 12BがQ8_0で約14.2GBに収まります。Q8はほぼ劣化がなく、Q8の小さなモデルは、Q3に押し込んだ大きなモデルに勝つことがよくあります。
実際に収まるコンテキスト長
よく聞かれるのはモデルのサイズですが、実際に効いてくるのはコンテキストです。KVキャッシュは会話の長さに比例して大きくなるため、余裕を持って読み込めたモデルでも、長い文書の途中でメモリが尽きることがあります。24GBで使えるコンテキストは、重みを載せた残りの分だけです。同じモデルが動く2つのGPUでも、使い心地がまったく違うことがあるのはそのためです。以下は、Q4_K_Mの重みで、このGPUが保持できる最大のコンテキストです。
| モデル | 最大コンテキスト長(FP16のKV) | Q8のKVキャッシュ |
|---|---|---|
| Muse Glimmer 30B | 131,072トークン | 131,072トークン |
| Qwen3 32B | 9,216トークン | 18,432トークン |
| Gemma 4 31B | 30,720トークン | 72,704トークン |
| Granite 4.2 30B | 17,408トークン | 34,816トークン |
KVキャッシュをQ8に量子化すると、保持できる量はおよそ2倍になり、品質の低下はほとんどの人が気づかない程度です。このGPUでは、Qwen3 32Bが9,216トークンから18,432トークンになります。上限は128kトークン、またはそれより小さければモデル自身のネイティブのコンテキスト長で、後者は「モデルの上限」と表示しています。それを超える空きメモリは何の役にも立ちません。サイズの割にはるかに多くのコンテキストを保持できる行は、ハイブリッド構成、スライディングウィンドウ、MLA(Multi-head Latent Attention)のモデルで、標準的なTransformerのほんの一部しかキャッシュしません。計算の過程は各モデルのページにあります。
このGPUの限界
最初に届かなくなるモデルはLlama 3.3 70Bで、Q4_K_M・8kコンテキストで約45.8GBが必要です。使えるメモリは24GBです。Q3_K_Mに下げると約37.7GBが必要で、それでも収まりません。残りをシステムRAMにオフロードすれば動きますが、10〜50倍遅くなります。モデルが動くのを確かめる方法であって、使う方法ではありません。
購入かレンタルか
動かすのがllama.cppベースのチャットで、ツールごとにROCm対応を確認するのが苦にならないなら、買う価値があります。画像生成やファインチューニングを含め、何でも最初から動いてほしいなら、CUDAのエコシステムがあるぶん、3090か4090で決まりです。
小売価格は変動し、今日書いた数字はひと月もたたずに古くなるため、このページには載せていません。実際に検討している価格を、電気料金と実際の月間使用時間とあわせて購入とレンタルの比較ツールに入れてください。このGPUが負荷時に355Wを使うことは、ツールにすでに入っています。所有するほうが安くなる月がわかり、そうならない場合はそれがわかります。決め手になるのは、価格よりも月間の使用時間であることがはるかに多いです。
率直な評価
3090クラスのメモリ容量と帯域幅を持ちながらCUDAのない、AMDの24GBのGPUです。
仕様の上では3090と同じです。24GBを960GB/sで読み出すため、同じモデルが収まり、帯域幅の式で求める速度もほぼ同じです。違いはソフトウェアです。llama.cpp、LM Studio、OllamaではROCmかVulkanを使って言語モデルがよく動きますが、ファインチューニングや画像・動画ツールの大半は、まずCUDA向けに作られています。
得意なこと
- 24GB・960GB/sで、収まるモデルについてはRTX 3090や4090と同じクラスです。
- llama.cpp、LM Studio、Ollamaは、どれもROCmかVulkanを通じてこのGPUで動きます。
- AMDのROCm 10の互換性リストには、Linuxに加えてWindows 11でも載るようになりました。
向かないこと
- CUDAはありません。CUDA版しか提供されていないツール、つまりファインチューニングの大半や画像・動画のエコシステムの多くは、ROCmへの移植版が必要か、そもそも動きません。
- この世代はFP8に対応していないため、FP8のチェックポイントはネイティブでは動かず、変換して使います。
- ボード電力は355Wで、クーラーも大型です。
よくある誤解:AMDのページにはメモリ帯域幅の数値が2つ載っています。はるかに大きい「effective」(訳:実効)の数値はチップ上のキャッシュを含めたもので、モデルの重みはそこに収まりません。言語モデルで意味があるのは960GB/sのほうです。
ほかの選択肢との比較
- RTX 3090:24GB・936GB/s・最適なモデルはMuse Glimmer 30B、約38トークン/秒。ローカルモデルのコストパフォーマンスの基準で、何年もその座にあるGPUです。
- RTX 4090:24GB・1,008GB/s・最適なモデルはMuse Glimmer 30B、約41トークン/秒。ローカルモデルに関するアドバイスの多くが、暗黙のうちに前提としているGPUです。
- RTX 5090:32GB・1,792GB/s・最適なモデルはMuse Glimmer 30B、約73トークン/秒。メモリ帯域幅で、快適に動かせる範囲を変えた初めてのコンシューマー向けGPUです。
全39種類のGPUはGPU一覧で並べて比較しています。同じ数値をモデルの側から見た表はモデルの適合表(英語)にあります。表を読む代わりに特定の組み合わせを確かめるなら、ローカルLLM動作チェッカーを使ってください。
よくある質問
- RX 7900 XTXで70Bのモデルは動く?
- Q4_K_Mでは、1枚では動きません。Llama 3.3 70Bは8kコンテキストで約45.8GBが必要で、このGPUが使えるのは24GBです。選択肢は、より小さなモデルにするか、コンテキストをごく短くしてより強く量子化するか、2枚に分けるか、必要な時間だけより大きなGPUを借りるかです。
- RX 7900 XTXで動かすのに最適なモデルは?
- Muse Glimmer 30Bです。Q4_K_M・8kコンテキストでは、使える24GBのうち約18.7GBを使い、生成速度は推定39トークン/秒で、体感は「チャットなら快適」です。サイズより品質を重視するなら、Gemma 4 12BがQ8で約14.2GBに収まります。
- RX 7900 XTXの生成速度は何トークン/秒?
- モデルのサイズ次第です。トークンを生成するたびに、アクティブな重みをすべてメモリから読み出すからです。960GB/s・効率70%で、このGPUは8BのモデルをQ4で推定145トークン/秒で生成します。保持できる最大のモデルのQwen3.6 35B-A3B (MoE)では約386トークン/秒です。人が文章を読む速さは毎秒5〜8語ほどなので、25を超えれば一瞬に感じます。145は960GB/sから求めた上限で、実測ではありません。数値が大きいほど、実際のランタイムはこれを大きく下回ります。
- ローカルLLMに24GBで足りる?
- このサイトで扱う34モデルのうち28モデルが、Q4_K_M・8kコンテキストで動きます。最大で36Bパラメータまでです。本当の試金石はモデルの一覧ではなくコンテキストです。このGPUでMuse Glimmer 30Bを動かすと、メモリが尽きるまでに約131,072トークンを保持できます。
- ローカルモデルにはRX 7900 XTXとRTX 3090のどちら?
- どちらも使えるメモリはほぼ同じなので、動くモデルも同じです。速度では、このGPUのほうが速く、960GB/s対936GB/sです。チャットの速さを決めるのは帯域幅です。
- RX 7900 XTXはローカルLLMに向いている?
- llama.cpp、LM Studio、Ollamaでモデルを動かすなら向いています。24GB・960GB/sなので、収まるモデルではRTX 3090と同等で、帯域幅の式で求める生成速度も同等です。ファインチューニングや画像・動画ツールの大半は今もCUDAを前提にしているので、買う前に使うツールを確認してください。
- RX 7900 XTXとRTX 3090のどちら?
- どちらも24GBで、帯域幅も960GB/sと936GB/sでほぼ同じなので、同じモデルがほぼ同じ推定速度で収まります。3090は、エコシステムの大半が前提とするCUDAが動きます。7900 XTXはROCmかVulkanに頼ることになり、チャットはよくカバーされていますが、それ以外は対応にばらつきがあります。
- メモリ:重み(パラメータ数 × パラメータあたりのバイト数)+KVキャッシュ(標準的なTransformerでは2 × レイヤー数 × KVヘッド数 × ヘッド次元 × コンテキスト長 × バイト数。スライディングウィンドウ、ハイブリッド構成、MLAのモデルは実際のキャッシュのとおりに計算)+ランタイム0.5GB+重みの4%。導出の詳細はLLM VRAM計算ツールにあります。
- 速度:70% × メモリ帯域幅 ÷ アクティブな重みのバイト数。シングルストリーム、バッチ処理なし、プロンプト処理は含みません。実測ではなく上限です。≤の付いた数値(28個中12個)は、トークンごとに読む重みがごく少ないため、実際のランタイムが数値を最も大きく下回る箇所です。詳しくは生成速度(トークン/秒)推定ツールをご覧ください。
- GPUの仕様(メーカーの数値):24GB、960GB/s、355W。AMDによるこのGPUの公式ページを参照してください。
- モデルのアーキテクチャの値は、各モデルが公開しているconfigから取っています。それぞれの値が何を変えるかは、LLMのセルフホストのガイド(英語)で説明しています。