RX 9070 XT

RX 9070 XTは、このサイトで扱う34のオープンモデルのうち12モデルを、Q4_K_M・8kコンテキストで動かせます(2026年10月16日に計算)。最大のモデルはgpt-oss 20Bで、必要量は13.4GB、生成速度は最大215トークン/秒です。

更新日

メモリ
16GB(VRAM)
メモリ帯域幅
640GB/s
ボード電力
304W
発売
2025年
入手方法
新品で販売中
動くモデル
12モデル(全34)
Q4_K_M・8kコンテキストでの数です。保持できる最大のモデルはgpt-oss 20Bで、13.4GB、最大215トークン/秒です。
計算・2026年10月16日
動かすのに最適なモデル
Gemma 4 12B
16GBのうち8.2GBを使い、約64トークン/秒です(読むより速い)。余裕を持って収まり、25トークン/秒以上で応答するモデルのうち最も大きいクラスを選び、その中で最も新しいものを選んでいます。
計算・2026年10月16日

RX 9070 XTをローカルLLM動作チェッカーで開く

RX 9070 XTで動くモデルの一覧

RX 9070 XT(16GB)がGPUで使えるメモリは16GBで、メモリ帯域幅は640GB/sです。以下のモデルはすべて、多くの人が実際に使う設定であるQ4_K_M・8kコンテキストでの値です。5%の安全マージンを差し引くと、使えるのは15.2GBです。何が読み込めるかはメモリが、どれだけ速く応答するかは帯域幅が決めます。どちらも明示した計算式による推定値で、LLM VRAM計算ツールで計算の過程を確かめられます。

このGPUでは、15.2GB以下なら収まり、13.6GBを超えると「ぎりぎり」です。読み込めても会話に使える余裕はほとんどなく、同じ16GBでデスクトップ環境も動かしていると収まらなくなることがあります。トークン/秒は、メモリ帯域幅から求めたシングルストリームの推定値です。≤の付いた数値は上限で、実際のランタイムはこれを大きく下回ります。

計算・2026年10月16日

実際に動かすならこのモデル

Gemma 4 12Bが、このGPUを最も有効に使えるモデルです。使うのは16GBのうち8.2GBで、生成速度は推定64トークン/秒(読むより速い)、コンテキストにはまだ131,072トークン分の余裕があります。

ベンチマークは引用していないため、選び方を説明します。モデルはサイズで比べ、MoE(Mixture of Experts)モデルは総パラメータとアクティブパラメータの幾何平均で数えます(経験則で、測定ではありません)。メモリに余裕を持って収まり、25トークン/秒以上で応答する最も大きいクラスを選び、その中で最も新しい汎用モデルを選んでいます。コーディングや推論に特化したモデルは上の一覧には載せていますが、標準ではおすすめしていません。

このGPUが保持できる最大のモデルはgpt-oss 20Bで、必要量は13.4GBです。81,920トークンのコンテキストを確保できます。MoEモデルで、トークンごとに読むパラメータは3.6Bだけなので、2つのうち速いのはこちらで、推定215トークン/秒です。その代わり、トークンごとにすべての重みを読む密(dense)モデルの深さはありません。

Q8_0でも約14.2GBで収まります。メモリが許すならQ8を選ぶ価値があります。Q4では精度が少し落ちますが、Q8はほぼ劣化がありません。

実際に収まるコンテキスト長

よく聞かれるのはモデルのサイズですが、実際に効いてくるのはコンテキストです。KVキャッシュは会話の長さに比例して大きくなるため、余裕を持って読み込めたモデルでも、長い文書の途中でメモリが尽きることがあります。16GBで使えるコンテキストは、重みを載せた残りの分だけです。同じモデルが動く2つのGPUでも、使い心地がまったく違うことがあるのはそのためです。以下は、Q4_K_Mの重みで、このGPUが保持できる最大のコンテキストです。

モデル最大コンテキスト長(FP16のKV)Q8のKVキャッシュ
Gemma 4 12B 131,072トークン 131,072トークン
Qwen3 14B 34,816トークン 40,960トークン・モデルの上限
Phi-4 14B 16,384トークン・モデルの上限 16,384トークン・モデルの上限
Ministral 3 14B 37,888トークン 75,776トークン

KVキャッシュをQ8に量子化すると、保持できる量はおよそ2倍になり、品質の低下はほとんどの人が気づかない程度です。このGPUでは、Ministral 3 14Bが37,888トークンから75,776トークンになります。上限は128kトークン、またはそれより小さければモデル自身のネイティブのコンテキスト長で、後者は「モデルの上限」と表示しています。それを超える空きメモリは何の役にも立ちません。サイズの割にはるかに多くのコンテキストを保持できる行は、ハイブリッド構成、スライディングウィンドウ、MLA(Multi-head Latent Attention)のモデルで、標準的なTransformerのほんの一部しかキャッシュしません。計算の過程は各モデルのページにあります。

計算・2026年10月16日

このGPUの限界

最初に届かなくなるモデルはDevstral Small 2 24Bで、Q4_K_M・8kコンテキストで約16.3GBが必要です。使えるメモリは16GBです。Q3_K_Mに下げると約13.6GBが必要で、収まりますが、Q3は品質の低下が大きいため、たいていは小さなモデルをQ4で動かすほうが良い選択です。残りをシステムRAMにオフロードすれば動きますが、10〜50倍遅くなります。モデルが動くのを確かめる方法であって、使う方法ではありません。

購入かレンタルか

動かすモデルが16GBで足り、ツールごとにROCmやVulkanへの対応を確かめるのが苦にならないなら、妥当な新品のGPUです。24GBが必要なら、RX 7900 XTXか中古のRTX 3090のほうが多く保持でき、速く読み出します。ときどき大きなモデルを使うだけなら、1つ上のクラスを買うより、大きなGPUを時間単位で借りるほうが安く済みます。

小売価格は変動し、今日書いた数字はひと月もたたずに古くなるため、このページには載せていません。実際に検討している価格を、電気料金と実際の月間使用時間とあわせて購入とレンタルの比較ツールに入れてください。このGPUが負荷時に304Wを使うことは、ツールにすでに入っています。所有するほうが安くなる月がわかり、そうならない場合はそれがわかります。決め手になるのは、価格よりも月間の使用時間であることがはるかに多いです。

率直な評価

AMDのRDNA 4世代のゲーム向けGPUで、16GB・640GB/s、LinuxとWindowsでROCmが使え、CUDAはありません。

16GBのGPUならどれにでも収まるモデルが収まり、640GB/sで読み出します。これはRTX 5060 Ti 16GBの約1.4倍なので、同じモデルでも速度の上限が高くなります。RDNA 4ではRX 7000シリーズにないFP8が加わり、AMDのROCm 10.1の互換性マトリクスには、LinuxとWindows 11の両方でこのGPUが載っています。制約はAMDでいつものものです。llama.cppとOllamaはROCmかVulkanで動きますが、ファインチューニングや画像・動画ツールの多くは、まずCUDA向けに作られています。

得意なこと

  • 16GBで640GB/sと、同じ容量のRTX 5060 Ti 16GBの約1.4倍です。
  • RDNA 4ではFP8が動きます。RX 7000シリーズでは動きません。
  • AMDのROCm 10.1のマトリクスにはUbuntu、RHEL、Windows 11向けに載っており、OllamaもLinuxのROCm対応として載せています。

向かないこと

  • 16GBはやはり16GBです。32Bクラスには24GBのGPUが必要です。
  • CUDAはありません。CUDA版しか配布していないツール(ファインチューニングの大半と、画像・動画のエコシステムの多く)は、ROCmへの移植がなければ動きません。
  • OllamaのWindows向けROCm対応リストには含まれていないため、WindowsではOllamaはVulkanで動かします。

よくある誤解:XTの付かないRX 9070も同じ16GBで、AMDは220Wで同じ640GB/sと公表しています。帯域幅の計算式では、2つのGPUのテキスト生成の速度の上限は同じです。XTで上乗せされた演算性能が表れるのはプロンプト処理と画像生成で、チャットの速さではありません。

ほかの選択肢との比較

  • Radeon AI PRO R9700:32GB・640GB/s・最適なモデルはMuse Glimmer 30B、約26トークン/秒。AMDの32GBのワークステーション向けGPUで、RX 9070 XTと同じ帯域幅に2倍のメモリを載せ、ボード電力は300Wです。
  • RTX 5060 Ti:16GB・448GB/s・最適なモデルはGemma 4 12B、約45トークン/秒。ハイエンドより下で最も新しい16GBのGeForceで、置き換え対象の4060 Tiから明確に進歩しています。
  • RX 7900 XTX:24GB・960GB/s・最適なモデルはMuse Glimmer 30B、約39トークン/秒。3090クラスのメモリ容量と帯域幅を持ちながらCUDAのない、AMDの24GBのGPUです。

全39種類のGPUはGPU一覧で並べて比較しています。同じ数値をモデルの側から見た表はモデルの適合表(英語)にあります。表を読む代わりに特定の組み合わせを確かめるなら、ローカルLLM動作チェッカーを使ってください。

よくある質問

RX 9070 XTで70Bのモデルは動く?
Q4_K_Mでは、1枚では動きません。Llama 3.3 70Bは8kコンテキストで約45.8GBが必要で、このGPUが使えるのは16GBです。選択肢は、より小さなモデルにするか、コンテキストをごく短くしてより強く量子化するか、2枚に分けるか、必要な時間だけより大きなGPUを借りるかです。
RX 9070 XTで動かすのに最適なモデルは?
Gemma 4 12Bです。Q4_K_M・8kコンテキストでは、使える16GBのうち約8.2GBを使い、生成速度は推定64トークン/秒で、体感は「読むより速い」です。Q8でも約14.2GBで収まるので、収まるならQ8を選ぶ価値があります。
RX 9070 XTの生成速度は何トークン/秒?
モデルのサイズ次第です。トークンを生成するたびに、アクティブな重みをすべてメモリから読み出すからです。640GB/s・効率70%で、このGPUは8BのモデルをQ4で推定97トークン/秒で生成します。保持できる最大のモデルのgpt-oss 20Bでは約215トークン/秒です。人が文章を読む速さは毎秒5〜8語ほどなので、25を超えれば一瞬に感じます。97は640GB/sから求めた上限で、実測ではありません。数値が大きいほど、実際のランタイムはこれを大きく下回ります。
ローカルLLMに16GBで足りる?
このサイトで扱う34モデルのうち12モデルが、Q4_K_M・8kコンテキストで動きます。最大で21Bパラメータまでです。本当の試金石はモデルの一覧ではなくコンテキストです。このGPUでGemma 4 12Bを動かすと、メモリが尽きるまでに約131,072トークンを保持できます。
ローカルモデルにはRX 9070 XTとRadeon AI PRO R9700のどちら?
Radeon AI PRO R9700のほうが多く保持できます(32GB対16GB)。そのため、このGPUの12モデルに対して、28モデルが動きます。速度では、両者は同じです。チャットの速さを決めるのは帯域幅です。
RX 9070 XTはAIに向いている?
llama.cppやOllamaで言語モデルを動かすなら向いています。16GB・640GB/sなので、両方に収まるモデルならRTX 5060 Ti 16GBより速度の上限が高く、AMDのROCmのマトリクスにもLinuxとWindowsでこのGPUが載っています。ファインチューニングや画像・動画の作業の多くは今もCUDAが前提なので、買う前にツールごとにROCmへの対応を確認してください。
RX 9070 XTはWindowsでROCmやOllamaと一緒に使える?
AMDのROCm 10.1の互換性マトリクスにはWindows 11で載っており、llama.cppのVulkanバックエンドも動きます。例外はOllamaです。Ollamaのハードウェアのページでは、RX 9070 XTはLinuxのROCm対応としてしか載っていないため、WindowsではOllamaはVulkanバックエンドを使います。Vulkanバックエンドはデフォルトで有効です。
  • メモリ:重み(パラメータ数 × パラメータあたりのバイト数)+KVキャッシュ(標準的なTransformerでは2 × レイヤー数 × KVヘッド数 × ヘッド次元 × コンテキスト長 × バイト数。スライディングウィンドウ、ハイブリッド構成、MLAのモデルは実際のキャッシュのとおりに計算)+ランタイム0.5GB+重みの4%。導出の詳細はLLM VRAM計算ツールにあります。
  • 速度:70% × メモリ帯域幅 ÷ アクティブな重みのバイト数。シングルストリーム、バッチ処理なし、プロンプト処理は含みません。実測ではなく上限です。≤の付いた数値(12個中3個)は、トークンごとに読む重みがごく少ないため、実際のランタイムが数値を最も大きく下回る箇所です。詳しくは生成速度(トークン/秒)推定ツールをご覧ください。
  • GPUの仕様(メーカーの数値):16GB、640GB/s、304W。AMDによるこのGPUの公式ページを参照してください。
  • モデルのアーキテクチャの値は、各モデルが公開しているconfigから取っています。それぞれの値が何を変えるかは、LLMのセルフホストのガイド(英語)で説明しています。