RX 7900 XT

RX 7900 XTは、このサイトで扱う34のオープンモデルのうち19モデルを、Q4_K_M・8kコンテキストで動かせます(2026年10月16日に計算)。最大のモデルはMuse Glimmer 30Bで、必要量は18.7GB、生成速度は約32トークン/秒です。

更新日

メモリ
20GB(VRAM)
メモリ帯域幅
800GB/s
ボード電力
315W
発売
2022年
入手方法
新品で販売中
動くモデル
19モデル(全34)
Q4_K_M・8kコンテキストでの数です。保持できる最大のモデルはMuse Glimmer 30Bで、18.7GB、約32トークン/秒です。
計算・2026年10月16日
動かすのに最適なモデル
Mistral Small 3.1 24B
20GBのうち16.3GBを使い、約40トークン/秒です(チャットなら快適)。余裕を持って収まり、25トークン/秒以上で応答するモデルのうち最も大きいクラスを選び、その中で最も新しいものを選んでいます。
計算・2026年10月16日

RX 7900 XTをローカルLLM動作チェッカーで開く

RX 7900 XTで動くモデルの一覧

RX 7900 XT(20GB)がGPUで使えるメモリは20GBで、メモリ帯域幅は800GB/sです。以下のモデルはすべて、多くの人が実際に使う設定であるQ4_K_M・8kコンテキストでの値です。5%の安全マージンを差し引くと、使えるのは19GBです。何が読み込めるかはメモリが、どれだけ速く応答するかは帯域幅が決めます。どちらも明示した計算式による推定値で、LLM VRAM計算ツールで計算の過程を確かめられます。

このGPUでは、19GB以下なら収まり、17GBを超えると「ぎりぎり」です。読み込めても会話に使える余裕はほとんどなく、同じ20GBでデスクトップ環境も動かしていると収まらなくなることがあります。トークン/秒は、メモリ帯域幅から求めたシングルストリームの推定値です。≤の付いた数値は上限で、実際のランタイムはこれを大きく下回ります。

計算・2026年10月16日

実際に動かすならこのモデル

Mistral Small 3.1 24Bが、このGPUを最も有効に使えるモデルです。使うのは20GBのうち16.3GBで、生成速度は推定40トークン/秒(チャットなら快適)、コンテキストにはまだ23,552トークン分の余裕があります。

ベンチマークは引用していないため、選び方を説明します。モデルはサイズで比べ、MoE(Mixture of Experts)モデルは総パラメータとアクティブパラメータの幾何平均で数えます(経験則で、測定ではありません)。メモリに余裕を持って収まり、25トークン/秒以上で応答する最も大きいクラスを選び、その中で最も新しい汎用モデルを選んでいます。コーディングや推論に特化したモデルは上の一覧には載せていますが、標準ではおすすめしていません。

このGPUが保持できる最大のモデルはMuse Glimmer 30Bで、必要量は18.7GBです。32,768トークンのコンテキストを確保できます。メモリの94%を使っていてもそれだけ確保できるのは、アテンションの設計上、トークンあたりのキャッシュがごく小さいからです。

パラメータ数より品質を重視するなら、Gemma 4 12BがQ8_0で約14.2GBに収まります。Q8はほぼ劣化がなく、Q8の小さなモデルは、Q3に押し込んだ大きなモデルに勝つことがよくあります。

実際に収まるコンテキスト長

よく聞かれるのはモデルのサイズですが、実際に効いてくるのはコンテキストです。KVキャッシュは会話の長さに比例して大きくなるため、余裕を持って読み込めたモデルでも、長い文書の途中でメモリが尽きることがあります。20GBで使えるコンテキストは、重みを載せた残りの分だけです。同じモデルが動く2つのGPUでも、使い心地がまったく違うことがあるのはそのためです。以下は、Q4_K_Mの重みで、このGPUが保持できる最大のコンテキストです。

モデル最大コンテキスト長(FP16のKV)Q8のKVキャッシュ
Mistral Small 3.1 24B 23,552トークン 48,128トークン
Muse Glimmer 30B 32,768トークン 71,680トークン
Qwen3.6 27B 23,552トークン 48,128トークン
Gemma 3 27B 18,432トークン 41,984トークン

KVキャッシュをQ8に量子化すると、保持できる量はおよそ2倍になり、品質の低下はほとんどの人が気づかない程度です。このGPUでは、Mistral Small 3.1 24Bが23,552トークンから48,128トークンになります。上限は128kトークン、またはそれより小さければモデル自身のネイティブのコンテキスト長で、後者は「モデルの上限」と表示しています。それを超える空きメモリは何の役にも立ちません。サイズの割にはるかに多くのコンテキストを保持できる行は、ハイブリッド構成、スライディングウィンドウ、MLA(Multi-head Latent Attention)のモデルで、標準的なTransformerのほんの一部しかキャッシュしません。計算の過程は各モデルのページにあります。

計算・2026年10月16日

このGPUの限界

最初に届かなくなるモデルはGranite 4.2 30Bで、Q4_K_M・8kコンテキストで約20.3GBが必要です。使えるメモリは20GBです。Q3_K_Mに下げると約17GBが必要で、収まりますが、Q3は品質の低下が大きいため、たいていは小さなモデルをQ4で動かすほうが良い選択です。残りをシステムRAMにオフロードすれば動きますが、10〜50倍遅くなります。モデルが動くのを確かめる方法であって、使う方法ではありません。

購入かレンタルか

動かすものが20GB・800GB/sで足り、ツールごとにROCm対応を確かめるのが苦でなければ、買う価値があります。RX 9070 XTと比べると、より多くを保持でき、読み出しも速いですが、9070 XTのほうが新しく、FP8が動きます。24GBが必要なら、RX 7900 XTXか中古のRTX 3090が一段上の選択肢で、たまに使う大きなモデルは時間単位で借りれば済みます。

小売価格は変動し、今日書いた数字はひと月もたたずに古くなるため、このページには載せていません。実際に検討している価格を、電気料金と実際の月間使用時間とあわせて購入とレンタルの比較ツールに入れてください。このGPUが負荷時に315Wを使うことは、ツールにすでに入っています。所有するほうが安くなる月がわかり、そうならない場合はそれがわかります。決め手になるのは、価格よりも月間の使用時間であることがはるかに多いです。

率直な評価

XTXの弟分にあたる20GB・800GB/sのGPUで、どの16GBのGPUよりも多くのメモリを載せています。

16GBのGPUと24GBクラスの間に位置し、RX 9070 XTより4GB多く、RX 7900 XTXより4GB少ないメモリを持ちます。帯域幅は800GB/sで、メモリを読み出す速さは9070 XTより4分の1速く、XTXより6分の1遅くなります。RDNA 3世代なのでFP8には対応していませんが、RX 9000シリーズとは違い、OllamaのROCm対応リストにはLinuxだけでなくWindowsでも載っています。

得意なこと

  • 20GBを800GB/sで読み出せます。どの16GBのGPUよりも容量に余裕があり、RX 9070 XTより4分の1速く読み出せます。
  • AMDのROCm 10.1の互換性マトリクスにLinuxとWindows 11で載っており、OllamaのROCm対応リストにも両方で載っています。
  • AMDは、Linux上のRDNA 3・RDNA 4のGPU向けに、検証済みのllama.cppのビルドを公開しています。

向かないこと

  • FP8には対応していません。AMDがFP8対応を記載しているのはRDNA 4だけなので、FP8のチェックポイントはネイティブでは動かず、変換して使います。
  • 20GBは24GBクラスに4GB足りないため、3090や7900 XTXに収まる最大級のモデルは収まりません。
  • ボード電力は315Wで、2.5スロットの大きなGPUです。CUDAには対応していません。

よくある誤解:AMDのページにはメモリ帯域幅の数値が2つ載っています。はるかに大きい「effective」(訳:実効)の数値はチップ上のキャッシュを含めたもので、モデルの重みはそこに収まりません。言語モデルで意味があるのは800GB/sのほうです。

ほかの選択肢との比較

  • RX 7900 XTX:24GB・960GB/s・最適なモデルはMuse Glimmer 30B、約39トークン/秒。3090クラスのメモリ容量と帯域幅を持ちながらCUDAのない、AMDの24GBのGPUです。
  • RX 9070 XT:16GB・640GB/s・最適なモデルはGemma 4 12B、約64トークン/秒。AMDのRDNA 4世代のゲーム向けGPUで、16GB・640GB/s、LinuxとWindowsでROCmが使え、CUDAはありません。
  • RTX 3090:24GB・936GB/s・最適なモデルはMuse Glimmer 30B、約38トークン/秒。ローカルモデルのコストパフォーマンスの基準で、何年もその座にあるGPUです。

全39種類のGPUはGPU一覧で並べて比較しています。同じ数値をモデルの側から見た表はモデルの適合表(英語)にあります。表を読む代わりに特定の組み合わせを確かめるなら、ローカルLLM動作チェッカーを使ってください。

よくある質問

RX 7900 XTで70Bのモデルは動く?
Q4_K_Mでは、1枚では動きません。Llama 3.3 70Bは8kコンテキストで約45.8GBが必要で、このGPUが使えるのは20GBです。選択肢は、より小さなモデルにするか、コンテキストをごく短くしてより強く量子化するか、2枚に分けるか、必要な時間だけより大きなGPUを借りるかです。
RX 7900 XTで動かすのに最適なモデルは?
Mistral Small 3.1 24Bです。Q4_K_M・8kコンテキストでは、使える20GBのうち約16.3GBを使い、生成速度は推定40トークン/秒で、体感は「チャットなら快適」です。サイズより品質を重視するなら、Gemma 4 12BがQ8で約14.2GBに収まります。
RX 7900 XTの生成速度は何トークン/秒?
モデルのサイズ次第です。トークンを生成するたびに、アクティブな重みをすべてメモリから読み出すからです。800GB/s・効率70%で、このGPUは8BのモデルをQ4で推定121トークン/秒で生成します。保持できる最大のモデルのMuse Glimmer 30Bでは約32トークン/秒です。人が文章を読む速さは毎秒5〜8語ほどなので、25を超えれば一瞬に感じます。121は800GB/sから求めた上限で、実測ではありません。数値が大きいほど、実際のランタイムはこれを大きく下回ります。
ローカルLLMに20GBで足りる?
このサイトで扱う34モデルのうち19モデルが、Q4_K_M・8kコンテキストで動きます。最大で29.8Bパラメータまでです。本当の試金石はモデルの一覧ではなくコンテキストです。このGPUでMistral Small 3.1 24Bを動かすと、メモリが尽きるまでに約23,552トークンを保持できます。
ローカルモデルにはRX 7900 XTとRX 7900 XTXのどちら?
RX 7900 XTXのほうが多く保持できます(24GB対20GB)。そのため、このGPUの19モデルに対して、28モデルが動きます。速度では、RX 7900 XTXのほうが速く、960GB/s対800GB/sです。チャットの速さを決めるのは帯域幅です。
ローカルLLMにはRX 7900 XTとRX 9070 XTのどちら?
7900 XTは20GB(9070 XTは16GB)を800GB/s(同640GB/s)で読み出すため、より多くが収まり、速度の上限も4分の1高くなります。9070 XTは新しいRDNA 4世代のGPUで、7900 XTにはないFP8に対応し、ボード電力は304W(7900 XTは315W)です。収まる最大のモデルとのチャットなら7900 XT、新しい形式を使うなら9070 XTです。
RX 7900 XTはROCmで動く?
動きます。AMDのROCm 10.1の互換性マトリクスには、Ubuntu、RHEL、Windows 11向けに(gfx1100として)載っており、OllamaもLinuxとWindowsの両方でROCm対応に挙げています。CUDA版のビルドしか出していないツールは、今もROCmへの移植が必要です。
  • メモリ:重み(パラメータ数 × パラメータあたりのバイト数)+KVキャッシュ(標準的なTransformerでは2 × レイヤー数 × KVヘッド数 × ヘッド次元 × コンテキスト長 × バイト数。スライディングウィンドウ、ハイブリッド構成、MLAのモデルは実際のキャッシュのとおりに計算)+ランタイム0.5GB+重みの4%。導出の詳細はLLM VRAM計算ツールにあります。
  • 速度:70% × メモリ帯域幅 ÷ アクティブな重みのバイト数。シングルストリーム、バッチ処理なし、プロンプト処理は含みません。実測ではなく上限です。≤の付いた数値(19個中7個)は、トークンごとに読む重みがごく少ないため、実際のランタイムが数値を最も大きく下回る箇所です。詳しくは生成速度(トークン/秒)推定ツールをご覧ください。
  • GPUの仕様(メーカーの数値):20GB、800GB/s、315W。AMDによるこのGPUの公式ページを参照してください。
  • モデルのアーキテクチャの値は、各モデルが公開しているconfigから取っています。それぞれの値が何を変えるかは、LLMのセルフホストのガイド(英語)で説明しています。