答えの出し方
GPUのメモリを分け合うものは3つあり、モデルそのものはそのうちの1つにすぎません。
- 重み:パラメータ数に、選んだ量子化での1パラメータあたりのバイト数を掛けたものです。いちばん大きな数字で、多くの人がすでに知っている数字でもあります。
- KVキャッシュ:それまでの会話をメモリに保持しておくもので、モデルがトークンごとに会話を読み直さずに済みます。コンテキストに比例して大きくなり、長い文書では重みに匹敵することもあります。
- ランタイムのオーバーヘッド:コンテキストとバッファに約0.5GB、さらにアクティベーション用に重みの約4%です。
合計は、お使いのGPUが扱えるメモリの95%と比べます。残りはデスクトップ表示と、きれいに詰め込めずに断片化するメモリのぶんです。MoE(Mixture of Experts)モデルはすべてのエキスパートを読み込むため、1トークンごとに読むのはアクティブなエキスパートだけでも、メモリには全パラメータ数がかかります。MoEモデルが大きいのに速いのはこのためです。
速度は別の問題で、別の計算式を使います。トークンを1つ生成するにはアクティブな重みをすべてメモリから読む必要があるため、トークン/秒はメモリ帯域幅をアクティブな重みのサイズで割り、効率70%を掛けた値になります。速度だけを計算するのが生成速度推定ツールで、メモリを3つの内訳に分けて示すのがVRAM計算ツールです。
「動かない」と出たとき
多くのツールは「動かない」で終わります。このツールは、何を変えれば動くかを、それぞれの数値つきで示します。直し方によって良し悪しがあるからです。
- 量子化を小さくするのが最初の手で、いちばん安上がりです。Q8はほぼ劣化なし、Q5とQ4は少し劣化し、Q3は劣化が大きいため、たいていは小さいモデルをQ4で使うほうが得です。
- コンテキストを短くするのは、もともと使っていなかったのなら損はありません。使っていたなら、いちばんつらい削り方です。モデルの出来の良さではなく、モデルにできることそのものが変わるからです。
- KVキャッシュをQ8に量子化すると、キャッシュがおよそ半分になります。見落とされがちな選択肢で、ぎりぎりか余裕があるかの分かれ目になることがよくあります。
- より大きなGPUは、差が大きいときの正直な答えです。チェッカーは製品ラインの最上位ではなく、動くGPUのうち最も小さいものを示します。
- 別のモデルが正解のこともよくあります。よく選んだ小さいモデルを良い精度で使うほうが、大きいモデルを3ビットまで潰すより良い結果になります。
どれも気が進まないなら、GPUを持たないという選択肢もあります。月の使用時間が一定の線を下回るなら、実際に使う時間だけメモリを借りるほうが安くなります。その線がどこにあるかは、購入とレンタルの比較ツールに自分の数字を入れるとわかります。
GPUごとのページ
チェッカーにあるGPUには、それぞれ専用のページがあります(英語)。動くかどうかと速度つきの全モデル一覧、重みを読み込んだあとに残るコンテキストの量、そのGPUの限界、そして持つ価値があるかどうかの率直な評価をまとめています。
- RTX 3060 12GB
- RTX 4060 Ti 16GB
- RTX 4070 12GB
- RTX 3090 24GB
- RTX 4090 24GB
- RTX 5090 32GB
- RTX 6000 Ada 48GB
- L40S 48GB
- RTX PRO 6000 Blackwell 96GB
- A100 80GB
- H100 SXM 80GB
- Mac Studio M2 Ultra 144GB
- MacBook Pro M4 Max 96GB
- RTX 5060 Ti 16GB
- RX 7900 XTX 24GB
- DGX Spark 126GB
- Ryzen AI Max+ 395 96GB
- MacBook Pro M5 Max 96GB
- Mac Studio M3 Ultra 384GB
- Mac Studio M5 Ultra 384GB
- RTX PRO 4000 Blackwell 24GB
- RTX PRO 4000 Blackwell SFF 24GB
- RTX 5080 16GB
- RTX 5070 Ti 16GB
- RTX 5070 12GB
- RTX 4080 SUPER 16GB
- RTX A6000 48GB
- RTX PRO 5000 Blackwell 48GB
- RTX PRO 4500 Blackwell 32GB
- RX 9070 XT 16GB
- RX 9060 XT 16GB
- RX 7900 XT 20GB
- Radeon AI PRO R9700 32GB
- Arc B580 12GB
- Arc Pro B60 24GB
- Arc Pro B70 32GB
- Mac mini M4 Pro 48GB
- Mac mini M5 Pro 48GB
- RTX Spark 102GB
逆の方向から探すこともできます。全39種類のGPUの比較と、8〜96GBに収まるモデル(英語)です。